須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成23年2月号掲載
証明書が2通?
 

まもなく確定申告期に入りますが、確定申告における所得控除のひとつとして「社会保険料控除」があります。国民年金についてこの控除を受けるには日本年金機構が発行する社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(ハガキで郵送されてきます。)を添付又は提示する必要があります。

 今年は、私の手元にはそれが2通あります。
その理由は、最初に送付されてきたハガキの官印(印影)が「歳入徴収官厚生労働省年金局事業企画課長」となっており、正しくは「歳入徴収官 厚生労働省年金局事業管理課長」ということで再送付されてきたからです。
 誤って通知された対象者は、千葉県、新潟県及び長野県に在住の94万人ということです。
 金額に間違いがあれば、再送付は当然ですが官印(印影)に間違いがあったというだけでコストをかけて送付する必要があったのでしょうか?
 ちなみにお詫び状と訂正された控除証明書が、封筒で送られてきています
ので郵便料金だけでも80円×94万人=7,520万円になります。
再印刷代およびこれに関わる作業代金も合わせるとさらにコストがかかっていることとなります。

 もちろん間違いはほめられたものではありません。しかし、人間のやることなので、皆無というわけにもいきません。しかもこの証明書は所得税計算で使われるものです。社会保険料控除は「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族が負担することになっている社会保険料を支払ったり、・・・・」となっているため、悪用しようと思えば、自分で1枚使
い、もう1枚を家族が使うことも出来ることとなってしまいます。
 会計事務所においても、2枚持ってこられれば二重計上できませんと言えますが、1枚だけ持ってこられればチェックのしようがありません。
 実務を混乱させる(税収にも影響?)可能性のある作業をコストをかけて行ったことに対して何も考えていないのでしょうか?
 「親方日の丸」と言う言葉がありますが、それを地でいっているような行為としか思えませんが、いかがでしょうか? 
                                                 所長 須田幸英
 事務所通信2月号掲載
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